大暴落相場における移動平均線の傾きの考察

株価大暴落は何かのイベントをキッカケとして起こる

2007年に表面化したサブプライムローン危機が引き金となって連鎖的に金融危機が起き、そして翌年の2008年9月にリーマン・ブラザースが破綻しました。

ご存知の通り株価の大暴落は、「サブプライムローン危機」や「リーマンショック」といった「イベント」をキッカケとして起きました。

「『サブプライムローン危機』や『リーマンショック』が何年何月に起きる」ということが事前に分かっていれば誰でも空売りで儲けることができます。しかしながら、当たり前ですが、私たちにはそんなことは分かりません。

ですが、日頃からファンダメンタルズをそれほど詳細に追っていなくても、毎日株価チャートを観察していれば、チャート上に現れる「異変」に気づくことがあります。

移動平均線の傾きと順番の入れ替わりに注目する

「サブプライムローン危機」と「リーマンショック」に端を発した国際金融危機は「100年に一度の金融危機」と騒がれた大暴落相場でしたが、2015年のチャイナショックもなかなかの暴落相場でした。

それではここで、それぞれの金融危機が発生した時の株価チャートを見て行きたいと思います。株価チャートはすべて日足です。

サブプライムローン危機が表面化した直後の日経平均

日足が頻繁に100日線まで下げてくる(赤丸のところ)。その後、株価は上昇するが、すぐに20日線を割ってくる。

サブプライムローン危機が本格化した時期の日経平均

日足が移動平均線に当たるたびに跳ね返される。

リーマンショック時の日経平均

「逆パンパカパン」ですべての移動平均線が下を向いている局面では、そう簡単に下げ止まらない。

この長い下落局面こそが、多くの投資家が「地獄の苦しみ」を味わったミンスキー・モーメントですね。

チャイナショック時の日経平均

株価急落後は、300日線と17000円の節目がサポートラインとなっている。

株価暴落はファンダメンタルズよりもチャートから判断する

これらのチャートを考察してみると、大暴落時には以下の兆候があることが分かります。

  • 移動平均線の傾きが緩やかになり、そして横ばいになって下を向き始める
  • 前の高値を越えられなくなる
  • 20日線を頻繁に割り込む
  • 60日線まで下落する
  • 株価が急落するため移動平均線が「逆くちばし」の形になる
  • 移動平均線の順番が入れ替わる

60日線や100日線のような長期移動平均線の傾きが緩やかになるためには、それなりの強い売り圧力が必要です。そしてこれらの移動平均線が一度下を向き始めたら、相当な買い圧力がないと上を向くことはありません。

となると、これまで上を向いていた長期移動平均線が横ばいになり始めて日足が頻繁に20日線を割り始めたら、その後の動きに注意をする必要があると思います。

そして下を向いている移動平均線に日足が当たって跳ね返されたら、そこからさらに下げることがあるということも上記のチャートから分かります。

株価暴落はファンダメンタルズよりもチャートから判断する

上記は私が「空売りの名手」である相場師朗先生から教わった、暴落時における空売りテクニックのほんの一例です。

私などはまだまだ鍛錬が足りませんが、それでもチャートを考察するだけでこれだけの売りシグナルが発見できます。

私たち個人投資家が入手できるファンダメンタルズは限られていますが、株価チャートだけは機関投資家とまったく同じものを見ることができます。

いつか必ず訪れるであろう大暴落相場に向けてやるべきことは、チャート分析の確度を上げることであって、ファンダメンタルズを分析することではないと私は考えています。

さてチャイナのミンスキーモーメントが起こった時、似たようなチャートになるのでしょうか?

株価チャート内のコメントで使っている用語について

相場師朗先生の手法をご存知ない方には聞きなれない用語を使っています。これらは相場先生主宰の株塾勉強会で使われている専門用語です。

逆くちばし」とは、株価の急落時に形成される移動平均線の形のことです。

逆パンパカパン」とは、暴落時に発生する各移動平均線の並びのことを表します。

もの別れ」とは、二つの移動平均線が接近した後に離れて行く局面のことを指します。

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