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海外コラム

東京株式市場から撤退するヘッジファンド - 日本株で苦戦する欧米のプロ集団

投稿日:2016年7月31日 更新日:

Notausgang

彼らにとって日本株は利益を上げにくいらしい・・・

7月25日付のブルームバーグ日本版のサイトで興味深い記事を見つけましたので、ご紹介したいと思います。

この記事によりますと、かつて日本株に投資していた米ファンド・オブ・ファンズのスカイブリッジ・キャピタルは、日本市場から完全撤退したとのことです。

撤退理由は、「今の環境では結果に自信を持って日本の資産を運用することは難しい」とのことです。(参考元:日本株運用のヘッジファンドは不振、マイナス金利も円高で帳消し

ご存知のようにヘッジファンドといえば、如何なる相場環境であっても収益を追求する投資集団です。その「絶対収益」のために投資家たちは高い手数料を払っているわけなのですが、収益を上げられない理由として「相場環境」を挙げるとは・・・。

まあ、日本株以外に魅力的な金融市場があればそちらで運用した方が賢明なので、日本市場からの撤退も致し方ないのでしょう。

それはともかく、ファンド・オブ・ファンズであるスカイブリッジ・キャピタルが日本市場から撤退したということは、投資に値する日本株ヘッジファンドがほとんど存在しないということになります。

上記のリンク先の記事中のチャートを見るとよく分かりますが、日本株ヘッジファンドはTOPIXとほぼ連動しています。これではわざわざ高い手数料を払ってヘッジファンドに投資する意味がありません。

日本株ヘッジファンドからの資金流出が止まらない

近年、パフォーマンスの悪さからヘッジファンドからの資金流出が止まらない状況が続いています。

前述の記事のオリジナル記事(ブルームバーグ英語版サイト)に詳しい内容が書かれていますので、ご紹介したいと思います(参考元:Hedge Funds in Japan Are Getting None of SkyBridge’s $13 Billion)。

まず、同記事の冒頭に動画があります。この動画では、前述のスカイブリッジ・キャピタルのCIO(Chief Investment Officer)であるレイモンド・ノルト氏がブルームバーグのインタビューに答えています。

同氏は、「日本株市場は欧米の株式市場と比べて、為替との相関性が非常に高いため予測が難しい」と答えています。

さらにノルト氏は、「この第一四半期で約$974 millionもの資金が日本株ヘッジファンドから引き上げられた。この資金流出の傾向はしばらく続くだろう」とも話しています。この額は昨年同期の6倍に当たります。

日本株ヘッジファンドのパフォーマンスはどの程度なのか?

同記事では、いくつかの日本株ヘッジファンドのパフォーマンスが紹介されています。

まず、2015年までの過去4年間に毎年2桁台のパフォーマンスを叩き出していたシンフォニー・フィナンシャル・パートナーズのファンドのパフォーマンスが-16%(1月~5月)です。

シンプレクス・アセット・マネジメントが運用するジャパン・バリュー・ファンドのパフォーマンスは-17.4%(1月~7月)です。

あすかアセットマネジメントの上半期のパフォーマンスは-10%、そして、Kriya Japan Alpha Segregated Portfolioは-6%(上半期)となっています。

どこも苦戦しているようですが、中には検討しているヘッジファンドも少なからずあるようです。

$100 millionの資金を運用するGCIシステマティック・マクロ・ファンドの上半期のパフォーマンスは驚異の+30%です。また、UBS証券出身の凄腕ヘッジファンドマネジャー・山口功一郎氏が投資助言をするアキト・ファンドは、同時期に+5.9%のリターンを上げています。

現在の相場環境下でプラスの収益を上げているヘッジファンドも存在しますが、業界全体で見れば苦戦しているファンドがほとんどのようです。

シンガポールに本社を置くリサーチ会社のユーリカヘッジによると、日本株ヘッジファンド・インデックスの今年上半期の成績は-5.21%となっています(参考元:Eurekahedge Japan Hedge Fund Index)。

一方、世界のヘッジファンド全体のパフォーマンスは+1.02%ですので、「欧米のプロ集団」であっても日本株市場は利益を上げるのが難しい状況にあるようです(参考元:Eurekahedge Hedge Fund Index)。

ヘッジファンド業界も「勝ち組」と「負け組」がはっきりと分かれており、今後は「負け組ヘッジファンド」が淘汰されて行くことでしょう。

しかしながら、ノートパソコン1台を使ってトレードして利益を上げ続けている個人投資家がいる一方で、高度な金融工学を駆使して運用するヘッジファンドが利益を上げることができないとは・・・。

まあ、個人投資家とヘッジファンドでは運用する資産規模が全然違うため、トレード手法も異なりますので比べることはできませんが、とは言っても、バカ高い手数料を取っていながら利益を上げられない「投資のプロ集団」って一体何なんでしょうね。

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