「ショットガン投資法」と「ショートトレード法」の違いについて

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ショットガン投資法の基本について

前回の記事では、「うねり取り手法」における鉄板パターンをご紹介しました。

このシリーズ最後になります今回の記事では、「ショットガン投資法」と「ショートトレード法」の基本的な考えとやり方について私が学んだことをお話します。

まずはショットガン投資法の基本的な考えをいくつか挙げますと、以下になります。

  • 順張りで行う
  • 取りやすい局面を手掛ける
  • トレード期間は数日~1週間
  • たい焼きの頭と尻尾はマーケットにくれてやれ
  • 観察銘柄を多く持つ
  • 一度に複数銘柄をトレードする
  • 「ああなったら、こうなる」で先を読む

このシリーズ最初の記事でも書きましたように、ショットガン投資法は複数銘柄を観察します。なので、観察銘柄が多ければ多いほど、「勝ちパターン」に入りつつある銘柄を見つけやすくなります。そして、「勝ちパターン」に入った銘柄を複数手掛け、1日~7日ほどでトレードを完結させます。

うねり取りと違い、ショットガン投資法では複数銘柄を同時にトレードしますので、値幅目いっぱい取れるだけ取る必要はありません。そこそこの値幅が取れたら手仕舞って、次の銘柄を手掛けます。なので、資金効率が良いです。

最後の「ああなったら、こうなる」ですが、ショットガン投資法はうねり取り手法同様に、移動平均線、前の高値・安値、日柄、そして節目などを目印にして売買します。

つまり、「今、株価は上昇しているけど、前の高値を超えなければ下げる可能性が高いので空売りを入れてみよう」とか、「20日移動平均線を割る回数が増えてきたので、次もう一度割ったら空売りを入れてみよう」、あるいは「前の安値を割らずに下げ止まり、再度上昇した後、次の下げが浅かったら買いを入れてみよう」というように、次の動きを予測して売買します。トレード判断を下す理由が多ければ多いほど、確度が高くなります。

それでは、ショットガン投資法のオーソドックスなやり方をご紹介します。

C局面飛び出しで買いのパターン:SUMCO(3436)

以下はSUMCOの日足チャートです。6ヶ月間の底練りで3点底(緑の線)を形成しており、さらに5月下旬から日足が100日移動平均線上に3回でました(赤丸)。これを上昇の予兆と見て、次の上げでは60日移動平均線を飛び出してくる可能性が高いと考えます。

sumco-day-2

次に長い期間の日足チャートを見ます。

2015年7月に日足は300日移動平均線を割ってから、12ヶ月以上もの間、300日移動平均線の下での生活が続いています。11月に一度300日移動平均線にトライしましたが、「トライ届かず」で敗れて前回の安値(1000円)を割り込みました。その後、600円の安値ラインを維持しています。

これら2つのチャートから読み取れることは、「600円の底値は堅い」、となると「次の上昇はB局面(ボックス相場)を飛び出してC局面(上昇相場)に入るかもしれない」ということです。

sumco-day-long-1

念のため、週足と月足チャートでも株価の傾向を確認します。

以下は週足チャートですが、やはり600円の底値(緑の線)は堅いようです。しかも、直近では週足が20週移動平均線を越えていますので、次の上げは期待できそうです。

sumco-week-1

以下は月足チャートですが、このチャートを見る限りでは、この後の動きを予測するのは難しいですが、トレードをしようとする日は7月11日ですので、11日時点での月足を考慮しますと、陰線(6月)⇒ コマ(7月)の「はらみ線」の組み合わせになりますので、転換のシグナルと見ることもできます。

sumco-month

これらの分析を考慮しますと、明日以降上昇する可能性が高いと判断できますので、明日の朝の寄付成行で買いを2000株入れます。

7月12日、2000株を656円で買いました。

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7月13日、日足が100日移動平均線に当たって止まっていますので、一気に100日線は抜けてこないと判断して、この辺りでいったん手仕舞いします。翌日14日の朝の寄付成行で買い玉2000株を手仕舞いします。この日の始値は700円でした。

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このトレードでいくら儲かったのか?

この3日間のトレードでの利益は以下になります。

2000株 x 44円 (700 – 656) = 88,000円

ショートトレード法の基本について

次にショートトレード法の基本的な考えをいくつか挙げますと、以下になります。ほとんどショットガン投資法と同じですが、こちらはショットガン投資法の発展形となり、途中、ヘッジや乗せも行います。

  • 順張りで行う
  • 取りやすい局面を手掛ける
  • トレード期間は1週間~2週間
  • たい焼きの頭と尻尾はマーケットにくれてやれ
  • 観察銘柄を多く持つ
  • 一度に1~2銘柄をトレードする
  • 「ああなったら、こうなる」で先を読む
  • 途中、必要に応じてヘッジを入れて建玉操作を行う
  • 追加の買い(売り)を入れる

それでは、ショートトレード法のオーソドックスなやり方をご紹介します。

60日線トライ届かずで売りのパターン:ミネベア(6479)

移動平均線と節目が交わるポイントに日足が接してくると、それまでの株価の流れが変わることがよくあります。

以下のチャートはミネベアの日足チャートです。株価は2000円を超え、上ヒゲの先が60日移動平均線に触れています。この先、株価は60日移動平均線を越えて、さらには2100円の節目を越えてくるか様子をみます。そして、もしここで株価が60日線を越えないのであれば、下げてくるだろう予測します。

minebea-day

次に長い期間で日足を見てみます。

株価は1年以上も上昇してきています。日足はこれまで100日移動平均線を完全に割らなかったのですが、2015年7月、日足は初めて100日移動平均線の下に潜り込みました。

minebea-day-long

週足では以下のようになります。直近6ヶ月を見てみますと、2月に下ヒゲが20週移動平均線に接しています(①のポイント)。その後、4月と5月に週足が20週移動平均線を割るようになってきました(②のポイント)。上昇相場の勢いが衰退して行く様子がうかがえます。そして7月、ついに週足は本格的に20週移動平均線を割り込んでしまいました(③のポイント)。

直近4本の週足は「陰 ⇒ 陽 ⇒ 陰 ⇒ 陽」ですが、下値が切り下がってきています。この4本の週足から、上昇の勢いがあまり感じられません。

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これらの分析から、日足が60日移動平均線、あるいは2100円の節目に当たって跳ね返されたら、その後は下げるだろうと予測して空売りを入れます。

その後の日足は以下になります。8月4日、小さな陰線が出ました。上ヒゲが60日移動平均線に届いていませんので、上昇の勢いは感じられません(①のポイント)。翌日5日、大陰線で100日移動平均線も割ってきました(②のポイント)。これは下げると判断できます。

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8月6日、朝の寄付成行で2000株の空売りを入れました。

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その後株価は下落して、300日移動平均線に当たりましたので(8月20日)、翌日21日、空売りを手仕舞いします。

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このトレードでいくら儲かったのか?

この12日間のトレードでの利益は以下になります。

2000株 x 327円 (1920 – 1593) = 654,000円

失敗トレードの考察

「うねり取り手法」と同様に、「ショットガン投資法」も明確な根拠があってトレードするわけです。

しかし、過去の失敗トレードを振り返ってみますと、「何でこんなところでエントリーしたんだ?」と思うトレードがあります。

2015年12月に私がやってしまった楽天(4755)の失敗トレードを順を追ってご説明します。

以下のチャートでは直近の株価は陽線が出現しており、1500円の節目を維持しています。10月と11月に日足は60日移動平均線上に出ています。

※以下のチャートでは100日と300日移動平均線が表示されていますが、このトレードをした時は、これらの移動平均線を使っていませんでした。

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以下は長い期間での日足チャートです。

株価は2014年10月から7ヶ月上昇して、2400円の節目を越えられずに下げてきています。その後、株価は60日と100日移動平均線を割り込んで再度上昇しましたが、2100円の節目を越えられずに下げています。しかしながら、株価は1500円の底値を維持しているように見えます(といいますか、当時はそう見えていました)。

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以下は週足チャートです。陰線が出ていますが、60週移動平均線が上を向いており、下値が切り上がっているように見えます。

rakuten-week

当時、私は以下の理由から翌日の12月8日に買いを入れることを決めました。

  • 1500円の下値が堅い
  • 直近2ヶ月の間で日足が60日線上に2回出ている

この2つの理由で12月8日の朝の寄付成行で2000株の買いを入れました。

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買いを入れた翌日は下げて陽線でしたが、1500円を維持しているように見えたので、買い玉はそのままにしました。しかし、その翌日陰線でさらに下げました。

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そして、10日の陰線を見て、その翌日に手仕舞いしました。

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このトレードでいくら損をしたのか?

この4日間のトレードでの損失は以下になります。

2000株 x -76円 (1456 – 1532) = -152,000円

この失敗トレードの原因

このトレードは以下の理由から、エントリーのタイミングがかなり早すぎたと思います。

  • 日足において、直近の高値が前の高値を越えていない
  • すべての移動平均線(5日、20日、60日)が下を向いているので下げ止まっていない
  • 週足チャートにて陽線が出るのを確認してから買いエントリーすべきだった
  • 買いエントリーの理由が少ない(3つ以上は必要だった)
  • 直近株価が1700円の節目にトライしたが届かなかったことを考慮すべきだった

そして、今年から使い始めた100日と300日移動平均線ですが、もしこれらの移動平均線を使っていたなら、ここは買うべきポイントではないこと明らかでした。そして、恐らく以下のように考えていたと思います。

  • 株価が大きく下げてきて、100日移動平均線を割り込み、さらに300日移動平均線を割り込んだ場合、株価はそう簡単には300日移動平均線上には浮上してこないので(①のポイント)、ここは下げ圧力の方が強いと考える
  • なので、買いエントリー後、翌日の下げを見て手仕舞いして、株価が1500円の節目を割ったことを確認して、空売りを入れる
  • さらに言えば、株価は前々回の安値(1450円辺り)も割りそうな勢いで下げているので、「かなり弱い」と見てここは空売りで勝負する

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まとめ

これまで3回の記事に分けて、「うねり取り手法」と「ショットガン投資法」の違いとそれぞれのやり方について書きました。

これらの技術を向上させるには、基本的な知識の習得と毎日の練習が必要になってきます。リーディングトレーニングを数多くこなすと、200枚をやり終えた時点で分かったことと、500枚をやり終えた時点で分かったことの違いが見えてきます。さらに、1000枚をやり終えたら違う視点からチャート見ることができるようになります。

この「感覚」は1000枚以上リーディングトレーニングをやった人にしか分からないことです。さらに5000枚、6000枚・・・とやり終えたら、もはや向かうところ敵無しの状態になると思います。

このリーディングトレーニングをやり始めの頃は、恐らく誰もが「チャートを見続けて本当に変動感覚が身につくのか?」と疑問に思われることでしょう。私もそうでした。やり始めの頃は「自分の技術は上達している」と感じることはあまりありませんでした。しかし、最初は漫然と眺めていた株価チャートでしたが、日足と移動平均線の関係や日柄、そして節目を意識しながらチャートを観察していくうちに、次第に変動感覚が養われてきました。

このように練習したら練習した分だけ上達するわけですが、練習量が一定量を超えたら、S字カーブを描き急速に理解力が高まることに気づくと思います。これは英語の勉強でも同じで、毎日正しい方法でコツコツと勉強していたら、ある日突然に英語が言葉として聴こえてくるようになります。そして、これまで日本語を介在させて理解していたのが、英語で考えられるようになります。

最後になりますが、練習するにあたり意識すべきいくつかの重要な目印を以下に挙げます。

  • 局面(A,B,C)
  • 移動平均線の向き
  • 日足、週足、月足と移動平均線の関係
  • 節目
  • 前の高値と安値
  • 日柄
  • 日足と300日移動平均線の関係
  • 上げて横ばい、下げて横ばい
  • 日足が移動平均線に当たった回数、あるいは抜けた回数
  • 週足、月足で傾向を見る
  • 酒田新値(約8本で転換)

まだあると思いますが、思いついた目印を挙げました。今後の練習で新たに気づいた点があれば、また記事にします。

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