「うねり取り手法」における空売り鉄板パターンの紹介

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成功率が高い空売り例: 日本精工(6471)

前回の記事では、「うねり取り手法」と「ショットガン投資法」、そして「ショートトレード法」の概要説明と、うねり取り手法における成功率の高いパターンをご説明しました。

今回の記事では、うねり取り手法の例をもう一つご紹介します。こちらもコツを掴むと成功率が高いパターンです。

以下のチャートは日本精工の月足チャートです。2012年11月から上げ続けており、直近4ヶ月の月足は陽線です。

nsk month

次に直近の傾向を確かめるために週足チャートを見ます。株価は2000円の節目を越えてきました。さらにすべての移動平均線が上を向いています。直近では、4週間間上昇後、2週間下落、そして、3週間上昇しています。

nsk week

次に長い期間で日足を見てみます。

1月を起点とすると株価は上昇6ヶ月目に入りました。たいていの場合、半年も上昇すれば一旦は下げてきますので、ここから買いで戦うのはあまり得策ではありません。なので、売りのチャンスをうかがいます。

nsk day long 1

さらに詳しくチャート分析するために、もう少し大きな日足チャートを表示します。

上昇期間中、日足は20日移動平均線を3回(赤丸)割っています(上昇して間もない2月は除く)。この先、再び日足が20日移動平均線を割ってくれば、上昇の勢いが衰えつつあるという確信が持てます。

なので、今は「その時」が来るのを待ちます。

nsk day 1-1

日足が完全に5日移動平均線を割り、さらに20日移動平均線を割ってきました。前日(6月8日)の陰線を確認してこの日(6月9日)に最初の空売りを入れても良いですが、慎重を期すのであれば翌日10日の朝の寄付成行で空売り2000株を入れます。

nsk day 2

翌日、8月10日朝の寄付成行で空売り2000株を入れました。

nsk day 3-1

さて、次にこの後の展開を予測します。以下の3つのシナリオが考えられます。

  • シナリオ1:株価はこのまま下げ続ける(どこまでか?60日線までか?)
  • シナリオ2:再度、株価は20日移動平均線上に出てくる(どこまで上昇するのか?前の高値までか?)
  • シナリオ3:株価は20日移動平均線まで上昇して、そこから下落する(売り玉を増やすチャンス!)

その後、陽線が出現しました。一旦は上昇するかもしれないと見て、翌日、買いを入れます。

nsk day 4

翌日、6月15日の寄付成行で2000株を買いました。これで建玉は2-2(空売り2000株、買い2000株)です。

nsk day 5-1

その後、陰線が出現しました。この陰線だけでは明日以降の株価の動きに確信が持てませんので、もう少し様子をみます。

nsk day 6

陽線出現です。ここから上昇してくるかもしれないので、念のため翌朝、買い玉を1000株追加します。

nsk day 7

翌日、6月24日の寄付成行で1000株を買いました。これで建玉は2-3(空売り2000株、買い3000株)です。この日の日足は陽線ですが、上ヒゲがあり、上昇の勢いが感じられません。

ここで以下の2つのパターンを考えます。

  1. 翌日、陽線で20日移動平均線を勢いよく越えてくれば、売り玉を切って、買い玉を増やす
  2. 翌日、陰線が出現すれば、売り玉を増やし、買い玉を手仕舞う

nsk day 8-1

翌日6月25日、陰線が出現しました。しかも、上ヒゲが出ています。この位置で陰線が出た場合、ここから下げる可能性が高いです。上記のシナリオ3(株価は20日移動平均線まで上昇して、そこから下落する)になる可能性が高いので、翌日、買い玉をすべて手仕舞い、売り玉を追加しても良いと思います。

しかし、この日の陰線で株価が下げる確信が持てない場合、もう一日待っても良いと思います。なので、ここでは慎重を期して、もう一日様子を見てみます。

nsk day 9

翌日6月26日、陰線の出現です。これで2日連続の陰線です。しかも、前日の陰線よりも低い位置にあり、20日移動平均線を越える勢いが感じられませんので、シナリオ3になる可能性が高いと判断できます。この理由から、翌日、買い玉をすべて手仕舞い、売り玉を追加します。

もし、予測に反して上昇した場合、空売りを一旦切って、買い玉のみを保持します。しかし、株価はすでに6ヶ月も上昇しているのですから、バブル上昇期でない限り、ここからの上昇幅は限定的だと考えます。

nsk day 10

翌日6月29日、陰線で100日移動平均線を割ってきました。この日の朝の寄付成行で買い玉を手仕舞い、空売りを2000株追加します。

nsk day 11-1

後は売り玉の手仕舞いのタイミングを見極めるだけです。手仕舞いのタイミングを計るポイントいくつかあります。

  1. 最初の陽線が出たら、その翌日に手仕舞い
  2. 陰線新値の本数で判断(だいたい8本で転換する)
  3. 株価が20日移動平均線に絡むまで待つ
  4. 節目で日足が横ばいになって手仕舞い
  5. 300日移動平均線まで下落すると予測する

上記のポイントを考慮して、陰線新値8本出現と陽線(7月9日)が出現した、翌日の7月10日(①のポイント)に手仕舞いしても良いと思います。⇒ 手仕舞い①

あるいは、株価は20日移動平均線に絡むまで待つか、または、300日移動平均線まで下落すると予測するのであれば、7月28日の陽線を確認した翌日(②のポイント)に手仕舞いしても良いと思います。⇒ 手仕舞い②

nsk day 12-1

日本精工のトレードでいくら儲かったのか?

それでは今回の空売りでいくらの儲けになったのか計算します。トレードの内訳は以下のようになります。

トレード日売り玉買い玉株価
6月10日22000
6月15日21946
6月24日11978
6月29日201908
7月10日0(手仕舞い①)1712
7月29日0(手仕舞い②)1590

手仕舞い①の場合

以下は7月10日に手仕舞いした場合の損益表です。トータルで822,000円の利益となりました。

株数
損益
買い玉
3000
-146,000
売り玉
4000
+968,000
利益
+822,000

手仕舞い②の場合

以下は7月29日に手仕舞いした場合の損益表です。トータルで1,310,000円の利益となりました。

株数
損益
買い玉
3000
-146,000
売り玉
4000
+1,456,000
利益
+1,310,000

今回の例では1000株単位でトレードしましたが、日本精工は100株単位で売買できますので、資金が少ない方は100株単位でトレードすると良いと思います。

信用取引では、手持ち資金の約3倍の金額で取引できますので、100万円もあれば100株単位で日本精工のうねり取りができます。

日本精工のトレードの考察

株価が6ヶ月上昇してきて、20日移動平均線を割ってきました。その後、株価は上昇を試みるが、前回の高値どころか20日移動平均線さえも超えることができません(緑のクレヨンのポイント)。

これは下げを空売りで取る「鉄板パターン」なんですね。このような局面に入っている銘柄を見つけて一相場だけトレードすれば、空売りで取れると思います。

nsk day 12-2

まとめ

チャートギャラリーで過去のチャートを何百枚、あるいは千枚以上リーディングして行けば、自分が得意とする局面が分かってきます。そうすることで頭の中に「回路」が出来上がりますので、鉄板パターンを見つけやすくなります。

この「回路」という概念ですが、英会話で例えるのが分かりやすいと思います。

帰国子女のようなバイリンガル(実際はどちらか一方の言語が不完全、あるいは両方とも不完全なのですが)でなくても、私のように成人してから英語を勉強して、「自分は英語ができる」といえるレベルになる人は多くいます。

このレベルにまで到達すると、日本に帰国してしばらく英語を話していなくても、英語を話す環境に身を置くとすぐに「英語の回路」を呼び起こすことができます。

もちろん、少しくらい単語やフレーズを忘れているかもしれませんが、これも英語を話しているうちに思い出してきます。

なぜこのようになるかといいますと、このレベルの英語力を持っている人たちは頭の中に「英語の思考回路」が出来上がっているからです。

私たち日本人にとって、英語は習得が難しい言語と思われがちですが、実はそうではありません。これはあまり知られてないと思いますが、話し言葉の9割は僅か2000の基礎的な単語で構成されています。また、使用する文法も基礎的なもので十分ビジネスに対応できます。

「英語ができる」人たちは、この英語のルールが頭の中に「回路」として出来上がっているので、何年経っても英語を忘れないのです。

株式トレードでも同様だと思います。必勝パターンを暗記しようとするのではなく、何度も何度もチャートリーディングをして、頭に染み込ませるくらいにくらいになれば、チャートを一瞥しただけで「明日は買い」とか「明日は様子見」、あるいは「明日は売りヘッジを入れよう」と考えるようになります。

私もまだまだ失敗トレードが多いですが、リーディングを何千枚とこなして、トレードの確度をさらに高めて行きたいと思います。

次回の記事では「ショットガン投資法」と「ショートトレード法」について書きます。

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