狙うべき場面を特定する
今回の記事では、私がいつも狙っている売買ポイントについてお話しします。これらの売買ポイントは出現頻度も高く、練習すれば誰にでも狙って取ることができる場所だと思います。
相場師朗先生は、株価の動きをA局面(下落)、B局面(ボックス)、C局面(上昇)と分類されています。
株塾ではすべての局面で利益を上げることができるように、様々な技の使い方や攻略法を教えています。
従いまして、株塾生の中にはどの局面であっても上手くトレードしている人もいますが、正直に言いますと、私はB局面が苦手です。
過去の成功トレードを検証したところ、狙った通りに上手く行ったところはほぼすべてが、A局面の「高値切り下がり」とC局面の「下値切り上がり」の場面です。
そこで私はB局面は狙わずに、A局面とC局面だけを狙うようにしました。
株価チャートの基本形
それでは私がどんなところを狙っているかについて詳しくお話しする前に、株価チャートの基本形をご紹介します。
以下は三菱UFJフィナンシャル・グループの日足チャートです。左からB局面を経てC局面に入り、420円を超えた辺りで天井をつけてA局面に入って行きます。そしてチャートの右の2012年6月以降は再びB局面に入って行きます。
もちろん他の期間はこれとまったく同じではありませんが、株価の動きはおおざっぱに言ってこのような動きを繰り返しています。
このチャートの中で狙いやすいのは赤で丸をした4つの場所です。つまり、緑の20日線上で買い、20日線の下で売るということです。
その際に売買の目印となるのが「下値切り上がり」と「高値切り下がり」です。上記チャートの4つのポイントは、どれも下値切り上がりと高値切り下がりの場面です。
買い①
株価がB局面からC局面に移行する場面では、株価は20日線(緑)を越えた後にチョイ下げすることがよくあります。その際、下げが浅く20日線を割り込まずに(あるいは少し割り込んで)再び上昇した場合、上昇局面に入って行きます。
買いで一番狙いやすいのは、この「買い①」の場面です。
買い②
「買い①」を経てC局面入りした株価が横ばい、あるいはチョイ下げした後に前の高値を越えて再び上昇した場合、上昇トレンドが続くことがよくあります。ここが2つ目の買い場(「買い②」)です。
「買い②」の後も3つ目の買い場が出現する場合もありますが(2012年3月の押し目)、相場が古くなったところで発生するため、買った後にすぐに下げたり、値動きが荒かったりしますので、私はやらないようにしています。
売り①
天井をつけた株価が下落する時、そのまま一直線に下落するのではなく、20日線を割った後に陽線が出現して再び上昇しようとします。
しかし、株価が20日線を越えられなかったり、前の高値を越えられずに再び下落した場合、A局面に突入することがよくあります。
天井付近で空売りを入れる時は「売り①」の場面を狙います。
売り②
「売り①」を経て大きく下落した株価はどこかで下げ止まり、そして横ばいになったりチョイ上げします。しかし、下を向いている20日線を越えられずに再び下げた場合、さらに下落が続くことがよくあります。ここが2つ目の売り場(「売り②」)です。
基本チャートのまとめ
これら4つの売買ポイントは、すべて20日線と下値切り上がり、高値切り下がりを目印にしています。
つまり、「株価が20日線の上 + 下値切り上がり」で買いエントリーして、「株価が20日線の下 + 高値切り下がり」で売りエントリーするようにすれば、成功率は高くなります。
個別銘柄による実例
買いのポイント
まずは一番成功率の高い場所である、20日線を越えた後の下値切り上がりのタイミングを狙った「買い①」の場面です。
ここを狙うコツは、株価が20日線上に出てきた後に一旦下げて、その後、前の安値まで下げずに上昇するタイミングを狙います。
次の2銘柄は、「買い①」と「買い②」の2つの買いの場面が連続して出現した例です。
楽天に関しては「買い②」の後に3つ目の買い場(4月の押し目)がありますが、上に行けば行くほど動きが荒くなりますので、私はこのような場所でのトレードは避けています。
売りのポイント
「売り①」で空売りを入れるコツは、株価が20日線を割った後に陽線出現で少し戻して、前の高値に届かずに下げたところを狙います。天井付近ではよく出現するパターンです。
「売り②」で空売りを入れるコツは、「売り①」を経て下げてきた後に、株価が下げ止まって横ばいかチョイ上げをして、20日線を越えずに再び下げたところを狙います。
以下のジェイテクトは変形型で、「売り①」の場面が二つあります。どちらも株価が20日線を割った後に陽線が出て少し戻しますが、戻りが弱く20日線を越えずに再び下落します。
以上、売り買いの4つの狙い目を個別銘柄でご説明しました。
私がこの4つの売買ポイントに行きついた理由
白状しますと、私は「もっと儲けたい」とい欲が強かったせいか、いろんな場面に手当たり次第に手を出してはやられるということを繰り返していました。
その後、過去トレードを検証したところ、狙った通りにトレードして勝てた場所は、この4つのポイントだったということが判明しました。
手当たり次第にいろんな場所でトレードをして勝ったり負けたりを繰り返していた私でしたが、上記の4つの売買ポイントだけは狙って取れてたということは、他の方にとっても狙いやすい場所ではないかと思います。
毎回同じ場所しか狙わないと決めておけば、それ以外の場所で迂闊に手を出してやられるリスクもなくなります。従って、余計なところには手を出さずに、この4つのポイントだけを狙えば失敗も少なくなり利益を伸ばせるという結論に至りました。
狙う場所は以上の4つですが、実際のトレードは先が見えない状態で行いますので建玉の仕方にはテクニックが必要です。建玉方法につきましては、株塾にて習得して頂ければと思います。
日頃から徹底的に練習をしておき、たとえ風邪をひいて高熱が出て意識もうろうとしていようが、二日酔いで激しい頭痛がしていようが、狙った場所は絶対に外さないようにしておけば、半永久的に株式市場や先物市場から利益を上げ続けることができるようになることでしょう。
次の記事では、週足チャートから鉄板ポイントを探す方法についてお話しします!