日足が5日移動平均線に絡み始めるとトレンドの転換となるのか?【富豪ファミリープロジェクト第1期参加体験談④】

うねり取りの実践練習

前回(第4回目)の富豪ファミリープロジェクトでは、「空売りのテクニック」について学びました。前回の記事では、新日鐵住金(5401)のトレード練習における、私の建玉をご紹介しました。

今回の記事では、2月22日(渋谷)と3月1日(大阪・梅田)で行われた富豪ファミリープロジェクトの第5回目と6回目で私が学んだことを書きたいと思います。両日ともセミナーは大盛況で、参加者は100名を軽く越えていました。

両セミナーも紫垣英昭氏による講義はなく、相場師朗氏による「うねり取り手法」の講義のみでした。

まず2月22日ですが、冒頭で相場先生が述べられたのが現在の景気循環です。

景気循環には以下の4つのサイクルがあります。

  1. キチンサイクル
  2. ジュグラー・サイクル
  3. クズネッツ・サイクル
  4. コンドラチェフ・サイクル

今年は44年ぶりにこれら4つのサイクルが全て上向きとのことです。従いまして、今年の株式市場はかなりの上昇が期待できると言うことです。

とはいうものの、強い上昇相場であっても3ヶ月や6ヶ月に一度は大きな下落(暴落)がありますので買い一辺倒の建玉ではダメです。

日柄や節目、あるいは前回の高値や新値の本数を考慮して、空売りを入れて建玉の操作をしなければなりません。

さて2月22日(土)に渋谷で行われたセミナーですが、前回と比べ難度が上がったためか、満足度という点で消化不良を起こされた方が多かったのではと察します。

ブラザー工業(6448)の実践練習

景気サイクルの話が終わった後、すぐに実践練習に入りました。

まず練習したのはブラザー工業(6448)の2012年6月29日からです。この銘柄を1-1-1-2あるいは1-1-2-2の玉建てで利益を上げる練習です。

もちろん私達参加者は6月29日以降、株価が上昇するか下落するか分かりませんので、そこはまずは1000株で試し玉を入れることになります。

この場合、買いからでも売りからでもどちらからでも構いません。間違ったと思ったら試し玉を切れば良いだけのことです。以下は私が行った建玉です。

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私の場合、もう少し上昇すると思ったので、次の空売りを入れ易くするために、まずは買いから始めました。7月3日に895円で1000株の買いを入れました。

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その後、若干上昇した後、下げ始めましたので、結局この買いは失敗でした。陰線新値2本出現した後、881円で買い玉を損切りしました。

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そしてその翌日、空売りを876円で1000株入れました。

この時点で私の建玉は1-0です。

その後、下がり始めましたので、追加の空売りはせずに(平均値が下がるので)、買い玉を手仕舞い、1000株の売り玉を底値圏まで持って行き、次の上昇を取る戦法に切り替えました。

失敗した点を挙げますと、日足が5日移動平均線を割った時に、最初の空売りを入れておくべきだったのかもしれません。

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前の安値に近づいてきたので、ここ辺りで反転上昇するか、あるいは下げ続けるのか判断を下さなければなりません。

私は通常、陰線新値5~6本辺りから試し玉を入れ始めるのですが、今回は陰線新値が連続で出現しており、買いのタイミングを計っているうちに最初の買いが少し遅れてしまいました。

7月18日、814円で買い1000株を入れました。

この日は陰線で終わりましたが、私の経験上、前の安値辺りで陰線が出現した場合、前の安値を割る可能性が大きいと判断できます。

また、この間一度も陽線が出現していないので、この下げはきついものになる可能性があります。

しかしまだどうなるか分かりません。私の建玉は1-1です。

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前の安値付近で下げ止まりそうに思えたので、8月4日に2回目の買い玉1000株を入れました。

これで私の建玉は1-2となりました(空売り1000株、買い2000株)

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その後、さらに下げ続けました。

陰線新値12本出現を確認して(十字線を含んで)、翌日、7月24日に3回目の買い玉1000株を759円で入れました。

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その後、上昇すると思いきや、さらに下げ続けました。

陰線新値13本目が出現した時、さすがにこれ以上下げないだろうと思いましたので、翌日、最後の買いを入れることにしました。

7月26日、2000株の買いを728円で入れました。この時点の私の買いの平均値は766.6円です。

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次は何処で空売りを切るかです。

7月26日以降、陰線ながら日足が5日移動平均線に絡んで上昇傾向を見せ始めましたので、空売りを手仕舞いすることにしました。

7月31日、728円で空売り1000株を手仕舞いしました。

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その後、陰線が出現して難しい局面(下図の赤丸の局面)になりましたが、日足が5日移動平均線絡み始め、さらに8月2日に陽線が出現しましたので、この先上昇する可能性が高いと判断しました。

その後、日足の実体が700円の節目を割ることなく、上昇しましたので私は5000株を天井圏まで持って行くことができました。

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結局、終わってみれば、3月を起点として8月まで6ヶ月間下げ続けたことになりました。

今回は空売り(僅か1000株ですが)と買いの両方で利益を上げることができましたが、反省点としては、もう少し早く空売りを入れておくべきでした。

そうすれば下げ始めの局面で、2回目の空売りを入れることができたと思います。

私はうねり取りをすでに実践しており、自分が手掛けている銘柄で利益も上げていますので上手く行って当たり前なのだと思いますが、銘柄によっては全く手が合わない銘柄もありますので、当然ながら上手く利益が取れない銘柄もあるのは確かです。

ブラザー工業の場合、ゆったりとしたうねりを形成しており、なおかつ、底値付近の動きもV字回復するような動きではないため、ゆっくりと買い下がれる銘柄だと思います。

22日のセミナーではブラザー工業以外にも、新日鉄(2012年9月12日~、2013年5月7日~)、三菱電機(2001年5月7日~)、ソフトバンク(2011年5月6日~)の実践練習もやりました。

今回のセミナーで学んだことは、まずは月足で今後の傾向の予測を立ててから、日足を見て建玉の操作をしながら利益を上げて行くことでした。

特に前回の高値(安値)や節目、そして日足が5日&25日移動平均線に絡んできた時の玉の操作は重要だと再認識させられました。

玉の操作の確度を上げるには、やはり日々の練習が欠かせないと思います。

3月1日の大阪でのセミナー

この日はいつもより時間を早めて12時15分からのスタートとなりました。今回も出席者は100名を軽く越えており、参加者は地元関西のみならず全国から来られていました。

これまでは「買い玉の入れ方」と「売り玉の入れ方」、そして「ツナギ売買の方法」を分けて教えてきましたが、今回のテーマは期間を長めにして一連のうねりを買いと空売りの両方で取って行くことでした。

まずはりそなHD(8308)の練習です。スタートは2013年の5月です。

この銘柄の特徴として、底値付近での動きがゆったりとしていますので、1-1-1-2あるいは1-1-2-2とゆっくりと買いを入れることが出来ると思います。

実際、私自身も4分割で買い下がったところ、ほぼ大底で最後の買いが入りました。

2013年5月9日からスタートです。

1

既に半年以上上昇しているので、そろそろ下げるだろうとの思惑から、翌日の5月10日朝の寄り付きで1000株の空売りを565円で入れます。

2

大陰線出現後、さらに下げるだろうと思い、5月17日、530円で順張りながら空売りを1000株追加しました。

3

陽線が出現しましたが、その後、陰線出現で上昇の勢いが鈍っているのは明らかです。

5月22日、477円で3回目の空売りを入れました。この日は陽線で終わりましたが、上昇の勢いが無いので問題ありません。

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大陰線出現後、陰線が続けて出現していますが、陰線新値6本出現して下げが止まったように見えるので、最初の買いを入れます。

5月28日、477円で最初の買い1000株を入れました。

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陰線新値7本出現を確認して、翌日5月31日、466円で2回目の買い1000株を入れました。

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陰線新値8本出現したので、そろそろ底値付近だろうと判断出来ますので、3回目の買いを入れます。

6月4日、437円で1000株の買いを入れました。この時点で私の建玉は3-3(空売り3000株、買い3000株)です。

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その後、5日移動平均線に日足が絡み始めてきました。そろそろ上昇かもしれません。

6月10日、順張りになってしまいますが452円で最後の買い2000株を入れました。

これで私の建玉は3-5となりました。この時点での空売りの平均値は544.6円で、買いの平均値が456.8円です。

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次はいつ空売りを手仕舞いするかです。

日足が5日移動平均線に絡み始め、10日間ほど動きが止まってきており、さらに陽線もちらほら出始めましたので、6月18日、450円で空売りを手仕舞いしました。

私の空売りの平均値は544円ですので、約28万円の利益です。

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次は買い玉を天井圏まで持って行かなければなりません。

買い玉手仕舞いの目印は、日足が5日移動平均線を割った時です。

7月25日に日足が5日移動平均線を割ったので、その翌日、7月26日に509円で買い玉を全て手仕舞いしました。

約26万円の利益です。

これでりそなHD(8308)のトレード練習は終わりです。

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次にJPX400採用銘柄の丸紅(8002)です。

私は現在、丸紅は手掛けていませんが、同じ商社株の伊藤忠を手掛けていますので、同じような感覚で利益を取ることが出来ました。

丸紅の特徴ですが、伊藤忠同様に底値付近の動きは急です。なのでゆっくりと買いを入れる暇はありません。

4分割で買いを入れるのであれば、陰線新値3~4本出現した辺りから買い始める必要があります。

そうすると最後の買いを入れる頃には、最初の買い玉は相当なマイナスになっているはずです。

丸紅や伊藤忠といった、底値付近の動きが急な銘柄は私の経験上、3分割で買い下がるのが効果的だと思います。

次に実践練習した銘柄は以下のJPX400採用銘柄です。

昭和シェル石油(5002)
カルソニックカンセイ(7248)

昭和シェル石油は上手く利益が取れましたが、カルソニックカンセイはいま一つ手が合いませんでした。

さて、このシリーズ最終回では、「3ヶ月周期と6ヶ月周期の判定方法」について書いています。

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