ナンピン買いは危険?
相場の世界では格言が多くあり、ナンピン買いについても例外でなく、「下手なナンピン、スカンピン」という格言があります。
これは下落相場中、無謀に買い下がって行くと、いずれすっからかんになってしまうという意味です。
ナンピン買いの例を挙げます。1000円の銘柄があったとしましょう。最初、1000株を1000円で買いました。その後、株価が950円になったので、もう1000株買い増ししました。その後、株価が900円になったので、さらに1000株買い増ししました・・・。
このように一見、買いの平均値が下がっているので良さそうに思えますが、底値がどの辺りになるだろうかということはそう簡単には予測できませんので、毎日増える含み損という恐怖と戦わなくてはなりません。
もちろん、その会社が倒産でもしない限り、株価がゼロになることはありませんので、いつかは反転上昇するわけですが、余程肝の据わった方でない限り、毎日増える含み損を見るのは辛いと思います。
うねり取りでは計画的な買い下がりをする
私が行っているトレード手法は「うねり取り」という手法です。これは古くは米相場の時代から代々受け継がれてきたトレード手法です。
うねり取りは、株価の一連の「うねり」を買いと空売りで利益を上げて行きます。また、1回で買う(または空売り)するのではなく、何回かに分けて売買します。これを「分割売買」と言います。
「何回かに分けて買う」わけですから、ナンピン買いと同じと思われる方も多いと思いますが、うねり取りの場合、計画的に買い下がって行きますので、無謀なナンピン買いと異なります。
分かりやすく説明します。例えば、株価が下がると予測した場合、まず前回の安値や日柄、酒田新値の本数、日足の並び方などを勘案して、底がどの辺りになるかを予測して、計画的に買い下がって行きます。
そして、買い下がって行く場合でも、買い玉をのみを入れるだけでなく、売り玉も同時に入れます。いわゆる「両建て」というやり方です。
ただこの場合、主体はあくまで買い玉であって、売りで利益を上げようと思わないことです。この場合の売り玉は、あくまで買い下がりの含み損を最小限に抑えるためのヘッジの空売りだということです。
両建てで買い下がれば精神的に楽
両建てのやり方ですが、以下の丸紅(8002)の様な局面で買い下がりを行う時を例に挙げてご説明します。
ぱっと見た感じでは、大きな陰線が出現してさらに下げるように見えます。陰線新値4本ですが、どこまで下がるかは分かりません。明日、反転上昇するかもしれません。
しかし、この数日間の日足の形や直近の日足が前の安値まで下げていますので、さらに下落するように見えます。
ここでの戦い方ですが、試し玉として買い1000株を入れるのは良いですが、もしこれが大きな下げになった場合、試し玉を損切りするか、あるいは含み損を抱えたままさらに買い下がることになります。
そこで、精神的に楽に買い下がるために、買い玉を入れるのと同時に空売りを1000株入れるのです。
例えば、以下の①~③のポイントで1000株、1000株、1000株と上手く買い下がれたとしても、買い玉のみだと大底を打つまでは苦しい思いをして含み損を抱えていなければなりません。
しかし、買い玉を入れるのと同時に売り玉も入れると、売り玉がヘッジとなり、買い玉の損失をカバーするわけです。
これなら精神的に楽に戦うことが出来ます。もちろん、買い玉と同数の売り玉を入れる必要はありません。
買い玉3000株に対して、売り玉2000株でも構いません。
そして6月5日に兆し陽線(大き目の陽線)が出現して、底を打った気配がします。その後、20日移動平均線を越えてきますので、その時点でヘッジの空売りを手仕舞いすれば良いわけです。
最後の2回の空売りはマイナスになりますが、私はこれは必要経費として割り切っています。私はこのようにしてトレードしています。
相場師朗氏が教える「株のうねり取り手法」とは?
相場師朗氏が教える株のうねり取り手法については、以下の記事で詳しくご説明しています。