中国人民銀行総裁の周小川氏による警告
ニューヨークに本部を置く独立系メディアの新唐人によりますと、今回の中国共産党大会期間中、中国人民銀行総裁の周小川氏は、「中国経済はミンスキー・モーメントに直面するだろう」と警告したとのことです。
ミンスキーモーメントとは?
ミンスキー・モーメント(ミンスキーの瞬間)とは、信用循環または景気循環において、投資家が投機によって生じた債務スパイラルによりキャッシュフロー問題を抱えるポイントである。
A Minsky moment is a sudden major collapse of asset values which is part of the credit cycle or business cycle.
「ミンスキー・モーメント」という言葉を知らなくても、実は日本人もアメリカ人もミンスキーモーメントを経験しています。
日本では1989年に日経平均が最高値をつけた約5年後に発生しており、そこから本当の苦しみが始まりました。その後、大手金融機関や企業の倒産が相次ぎました。アメリカでは住宅バブル崩壊により、本当の苦しみが始まりました。
中国経済を根底的に揺さぶる「理財商品」バブル
私は8月に以下の記事を書いておりますが、この問題が着実に進行しているのかもしれません。
この記事のネタ元としたのは、経済評論家の宮崎正弘さんのメルマガと英リサーチ会社のAutonomous Research社が作成した動画でした。
宮崎さんはご自身のメルマガで恐ろしいことを話していました。
「この帳簿上の債権の実態は不良債権であり、ともに中国経済を根底的に揺さぶる時限爆弾である。おそらく中国共産党は党大会を控えているので、それまでは必死に不良債権隠しを行うだろう。しかしそれ以後は爆弾の破裂を待つのかもしれない」
(出典:「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」通巻第5400号)
党大会も終わったことですし、今は「爆弾」の破裂を待っているのでしょうか。
トランプ政権誕生を的中させた国際政治学者からの警告
日本のバブル崩壊、リーマンショック、英国のEU離脱、そしてトランプ大統領の当選をことごとく的中させてきた国際政治学者の藤井厳喜氏は次のように話しています。
今や理財商品の仕組みは、ねずみ講そのものである。バブルの崩壊は必ずやってくるのだ。中国共産党指導部は、経済を正常化する劇的な措置をいまだにとろうとはしていない。チャイナ経済は、崖っぷちに向かって全力疾走しているようなものだ。
また、2016年8月に出版した『「国家」の逆襲 グローバリズム終焉に向かう世界』では、既にミンスキー・モーメントについて言及していました。
藤井厳喜氏の予測的中率の高さは定評がありますので、この警告はなかなか恐ろしいです。ミンスキーモーメントが「起きるか起こらないか」という問題ではなく、「いつ起きるか」ということですね。
バブル崩壊に向かって爆走する自称「世界第二位の経済大国」チャイナですが、「バブル崩壊 ⇒ 共産党独裁体制の崩壊 ⇒ 民主化」とはならないようです。
チャイナのバブル経済の本格的な崩壊は必ずやってくる。しかしそれが、中国共産党独裁体制の崩壊に直接繋がることはないだろう。
~中略~
経済暴動などは、軍事組織があればいくらでも制圧することができる。だから、「バブル崩壊 = 共産党体制の崩壊」とはならない。
先日の「独身の日」では、セールの取引額が過去最高の1兆7600億円を記録しましたが、果たして来年はどうなるのでしょうか。
「独身の日」はさておきまして、藤井厳喜氏のツイッターやYouTubeチャンネルでは、テレビでは報道しない真実を知ることができます。大変勉強になりますので、是非、視聴してみてください。
藤井厳喜氏の最新の情報は、DHCテレビでも視聴できます。
来るべき暴落相場に備えて刀を磨いておく
今回の記事の締めくくりとしまして、当ブログの本来の趣旨である株式トレードの話をしたいと思います。
信用取引をされない方にとっては暴落相場は嫌なものですが、相場師朗先生のトレード手法を習得されている方にとっては暴落相場は大変オイシイ局面です。
私自身もリーマンショックの大暴落相場では、たった一銘柄を空売りして、短期間で資金を3倍以上にしたことがあります。
株塾(ラジオNIKKEIの番組ではなくリアルな株塾)では、暴落のサインとなる移動平均線の傾きや順番の入れ替わりなどを分かりやすく教えています。相場先生から「空売りの技術」を教わっている方にとっては、来るべき大暴落相場に備えて今は刀を磨いておく時ですね。