本格的なカラ売り本
「世界一安全な株のカラ売り」は資産の6割以上をカラ売りで取った「カラ売りの名手」、相場師朗先生の初のカラ売り本です。
1年の約半分は株価が下落していますので、このチャンスをみすみす逃すのはもったいないです。
さらに言えば、長期的に右肩上がりを続けているアメリカ株と違い、日本株は強い下方圧力がありますので、買いのみで勝負するのはあまり得策ではないと思います。
カラ売りといってもやることはシンプルですし、使う道具は「ロウソク足」と「移動平均線」のみです。
カラ売りをやったことが無い方は「カラ売りは怖い」と思われているかもしれませんが、この本を読めば「やってみよう!」という気になります。
それほど懇切丁寧にカラ売りのやり方が紹介されています。
移動平均線の順番と入れ替わりの説明が秀逸
この本ではカラ売りが成功しやすい移動平均線の順番と傾き(PPP、逆PPPなど)、また、カラ売りに有効な技がいくつか紹介されています。
カラ売りのリスクは、下げ圧力が弱いところでカラ売りを仕掛けた後、株価が勢いよく上昇してしまうことです。
このようなリスクを軽減するために、この本ではカラ売りを仕掛ける前に確認すべきポイントが説明されています。
トレード前にこれらのポイントを確認することで、トンチンカンな場面でカラ売りを仕掛けることも少なくなると思います。
今年は日本経済を停滞させる材料が目白押し
相場先生のカラ売り解説本は、世界経済の先行きが不透明な中、非常にタイムリーな発売となりました。
1月末にFRBは金利据え置きを決定して金融市場は一応の落ち着きを見せておりますが、これはチャイナ経済崩壊のショックを和らげるための救援策との見方もあります。
一方、我が国は消費増税を控えており、チャイナ経済崩壊に対する救援策など無いように思えます。
安倍首相は経済の落ち込みを軽減するためにポイント還元などを考えているようですが、こんなものは焼け石に水のような気がしてなりません。
ところで昨年10月にIMFが発表したレポートによりますと、我が国の純債務(正味の借金)の規模は、米国、ドイツ、フランスなどよりはるかに良いようです。
マスコミがよく言う「日本の借金国民一人当たり〇〇〇万円」という刷り込みは、いったい何だったんでしょうかね?
我が国の財政が健全なのはよいとしても、チャイナ経済のミンスキー・モーメントはもはや避けようがなさそうです。ちなみに、チャイナにおける昨年の企業倒産は500万社とのことです(参考元:宮崎正弘の国際情勢解題)。
私は相場先生の「世界一安全な株のカラ売り」を熟読して、近い将来必ず来るであろう大暴落相場に備えて練習を続けたいと思います。