相場師朗先生が教える3つのトレード手法
相場師朗先生が教えるトレード手法は以下の3つです。
- うねり取り手法
- ショットガン投資法
- ショートトレード法
この3つの中で基礎となるのは「うねり取り手法」です。
あとの2つの手法は「うねり取り手法」から派生したトレード手法ですので、まずは「うねり取り手法」の基礎をしっかりと理解しておく必要があります。
それぞれの手法の説明をする前に、共通するルールをお伝えします。
- 日足でトレードする(ただし、トレード判断を下すために月足、週足は見る)
- 注文は朝の寄付、または2時30分以降に行う
- 2時30分以降の注文時以外ザラ場は見ない
- 板情報を見てトレードしない
- チャートからの情報のみでトレード判断を下す
- ファンダメンタルズは重視しない
「うねり取り手法」とは?
うねり取りはこれらの3つのトレード手法の中で一番利益が出せるトレード手法です。その理由は逆張りで分割売買を行うからです。
以下はうねり取り手法の基本的な考え方です。
- 逆張りで行う
- 分割売買を行う
- 途中、必要に応じてヘッジを入れて建玉操作を行う
- 3ヵ月、6ヵ月周期のトレンドの変わり目を狙う
- 上昇相場は買いで利益を取り、下落相場は空売りで利益を取る
- 取りやすい局面を手掛ける
- トレード期間は1~3ヵ月
- 1銘柄のみを手掛ける
- 「ああなったら、こうなる」で先を読む
以下は大和証券グループ本社(8601)の日足チャートです。
株価の動きには日柄というものがあり、3ヵ月、または6ヵ月周期でトレンドが変わることがよくあります。従って、これらの周期の変わり目を見計らって建玉して行きます。
また、下落している株価が頻繁に緑の20日線に接触してくると、そろそろ下げ止まるサインでもあります。
大和証券グループ本社の例では、まず空売りを入れて、空売りの利益を背景に買い下がって行きます。売り玉があるとないとでは、買い下がる時の心理的負担が大きく違います。
売り玉を入れた後は節目(この場合は600円)まで下げて反転するだろうと予測して、買い玉を分割で入れて行きます。
2-2のあと、陽線が出て大きく上昇しましたので売り玉を切って買い玉をさらに追加します。この時、空売りでマイナスがでますが、これは必要経費です。
その後、さらに買い玉を追加して0-6としたあとに陰線が出て株価が下がりますが、この時に買い玉を守るためにヘッジの空売りを入れて3-6にします。
その後、下値切り上がりで0-8として、この上昇を取ります。そして、オレンジの300日線の辺りで手仕舞います。
もしこの局面を順張りで行った場合、最初の買いは上記の例の0-4の辺りで入れることになるでしょう。その後、追加の買いを入れた場合、平均値がさらに高くなって行きますので大きな値幅を取ることができません。
逆張りは難しいですが、うねり取りを手掛けるためには避けては通ることができない売買法です。
「ショットガン投資法」とは?
ショットガン投資法は、うねり取り手法から派生したトレード手法です。
うねり取り手法ではエントリーから手仕舞いまでの期間が2~3カ月掛かるのに対して、ショットガン投資法はエントリーから手仕舞いまでの期間は1~1週間くらいです(トレンドが継続する場合はそれ以上)。
ショットガン投資法の基本的な考えをいくつか挙げますと、以下になります。
- 順張りで行う
- 取りやすい局面を手掛ける
- トレード期間は1日~1週間くらい(トレンドが継続する場合はそれ以上もある)
- たい焼きの頭と尻尾はマーケットにくれてやれ
- 観察銘柄を多く持つ
- 一度に複数銘柄をトレードする(しかし、多くても3銘柄まで)
- 「ああなったら、こうなる」で先を読む
以下はエムスリー(2413)の日足チャートです。一番成功率の高い「下値切り上がり」の場面を例を挙げてショットガン投資法の狙い方をご説明します。
エムスリーのチャートでは、1500円の節目辺りで株価の下値が切り上がってきており、移動平均線の順番が下から黄緑、黒、赤、ピンクと入れ替わってきました。この順番は株価が上昇局面に入る並びです。
陽線が2本続けて出現して株価の下値が切り上がっているを確認して、翌日に2000株の買いを入れます。
その後、株価のトレンドに変化が表れるところで手仕舞いします。手仕舞いの例としては、ピンクの3日線が赤の5日線と重なるポイントや、「9の法則」を目印とします。
エムスリーの場合はトレンドが長く続いているため、紫の100日線辺りで手仕舞いすることになります。それ以上買い玉を持っていてもよいですが、ボロが出ないうちに手仕舞いするのがショットガン投資法で成功するコツです。
ショットガン投資法の成功率を上げるためには変動感覚が必要ですが、コツを掴むといくつかのシグナルを確認するだけで機械的にトレードできるようになってきます。
変動感覚を養うためのトレーニングの方法とコツにつきましては、今後の記事で紹介して行きます。
「ショートトレード法」とは?
ショートトレード法はうねり取り手法とショットガン投資法の中間的なトレード手法となります。
トレード期間は1週間から2週間くらいです。
以下はショートトレード法の基本的な考え方です。ほとんどショットガン投資法と同じですが、こちらはショットガン投資法の発展形となり、途中、ヘッジや乗せも行います。
- 順張りで行う
- 取りやすい局面を手掛ける
- トレード期間は1週間~2週間
- たい焼きの頭と尻尾はマーケットにくれてやれ
- 観察銘柄を多く持つ
- 一度に1~2銘柄をトレードする
- 「ああなったら、こうなる」で先を読む
- 途中、必要に応じてヘッジを入れて建玉操作を行う
- 追加の買い(売り)を入れる
それでは、ショートトレード法のオーソドックスなやり方を日本精工(6471)の日足チャートを使ってご説明します。
成功率が高い狙い目は「W底」です。
日本精工の例では、900円まで下げた後上昇して黒の7日線の上に日足が出ました。その後、下げましたが再度上昇して黄緑の10日線を越えてW底を形成しました。
この上昇の勢いを確認した翌日に買いを200株入れます。その後、緑の20日線を越えたのを確認して200株の買いを追加します。次にグレーの30日線を越えたところで200株追加します。
そして青の60日線に当たったところで買い玉を手仕舞います。
株価は長期の移動平均線に接する辺りで、それまでの動きに微妙な変化が表れることがよくあります。
従いまして日本精工のショートトレードの場合、あまり欲張らずに60日線に差し掛かったあたりで手仕舞いした方が無難です。
もう一つの狙い目は、上を向いている移動平均線にロウソク足が当たった後に株価が上に抜けたタイミングです。株塾では「もの別れ」と呼んでいる場面です。
以下のチャートも日本精工です。
すべての移動平均線が上を向いている時、株価が20日線に当たった後に上に抜けたタイミングで買いを入れます。その後、買い玉を追加して行き、陰線がちになり横ばいになったところで手仕舞いします。
今回の記事は以上で終わりとなります。次の記事では、上達のコツについてお話しします。