午前中に行われた低位株のセミナー
前回の記事では「分割売買の基礎」について、私が学んだことを書きました。
今回の記事では、「空売りのテクニック」について学んだことを中心に書きます。
第4回目の富豪ファミリープロジェクトは新大阪で行われました。当日はかなりの悪天候だったこともあり、参加者は100名ほどでした。
セミナーは午前と午後の2回に分けてのセミナーで、午前中の2時間は紫垣英昭氏による低位株戦略でした。そして午後は当プロジェクトの目玉である相場師朗先生による、うねり取り戦略のセミナーでした。
さて、午前中に行われた紫垣英昭氏の低位株戦略セミナーですが、今回はより踏み込んだ内容となりました。彼がセットアップと呼ぶ買い出動のタイミングや、手仕舞いのタイミングについて詳しく説明されました。
となりの方の資料を覗き見すると、紫垣英昭氏が販売されている「株リッチプロジェクト」の資料が目に入りましたので、恐らく富豪プロジェクトでも株リッチプロジェクトと同じ内容を話されているのだと思います。
紫垣英昭氏の手法ですが、正直申し上げまして、私には向いていないという印象を受けました。とにかく見なければならない指標が多すぎます。
一例を挙げますと、
- ○○評価損益率
- ○○レシオ
- ○○取引買い残
- 外国人投資家の動向
- 米国債の金利動向
- ○○の需要動向
- 欧米日の経済指標
- 出来高
- ○○日、○○日、○○日移動平均線が○○した時が買いのタイミング(あるいは空売りのタイミング)
などです。
さらにはいくつかの季節性サイクルが加わります。
私にはこれらの事項をいちいちチェックして、トレード判断を下すなんてことは性格的に無理です。
個人投資家が使う手法と言うより、むしろ投機筋が仕手株を手掛ける手法に似ているように思います。
しかしながら、これから低位株を手掛けてみたい方にとっては有効な手法なのだと思います。
ただ、私には向いていません。
回を重ねるごとに難度が高まる相場師朗先生のセミナー
さて、うねり取りを実践している私にとっては、午後から行われた相場師朗先生による勉強会がメインです。
昼の休憩時間に富豪プロジェクトで知り合った方と話をしたのですが、今回の下げで大きく利益を出された方が何名かいました。
もちろん私も専門にしている商社株を空売りして稼がせて頂きました。
前回は、メンタル的な説明が多かったのですが、今回は実践練習に重きを置いた内容でした。
今回話された内容は、
- 暴落の考察(どのようなタイミングで暴落が起こるのか、そしてその対処法は?)
- うねりの形
- 移動平均線の効果的な使い方
- 空売りのテクニック
- 練習売買の方法
以上が主な内容でした。
練習売買については、関西ペイント、呉羽化学、新日鐵住金を例に挙げて、どのように買い玉を建てて行くのか、そしてその理由はなぜか?そして空売りを入れるタイミング(あるいはツナギ売買の方法)と、その理由について細かく説明を受けました。
率直な意見ですが、今日のセミナーだけで受講料の元が取れる内容でした。
まずは相場先生がご自身で途中解説を交えながら実際にトレードして見せて、そして次は相場先生の解説を極力少なくして受講生に実践トレードをさせる内容でした。
新日鐵住金(5401)のトレード練習
この日は関西ペイント、呉羽化学、新日鐵住金のトレード練習をしましたが、ここでは新日鐵住金の私の建玉を公開したいと思います。
スタート地点は2012年8月16日です。
ここ数日間の日足を見る限り高値圏に近づいているように思えますので、まずは試し玉として1000株の空売りを入れてみます。
翌日、8月17日朝の寄り付きで1000株の空売りを173円で入れました。
8月17日は陽線で終わりました。
十字線も含めるとすると、これで陽線新値8本目になりました。大抵、新値8本前後で相場は反転しますので、翌営業日に空売りを1000株入れます。
20日に176円で1000株の空売りを追加しました。
これで私の建玉は2-0(空売り2000株、買いなし)となりました。
もう少し上昇すれば、3回目の空売りを入れる予定でしたが、翌日は下がってしまいました。
これ以上空売りを入れると、売り玉の平均値が下がってしまいますので、空売り2000株を底値圏まで持って行こうと思います。
その後、順調に下がって来ました。
陰線新値4本目を確認した後、最初の買い2000株を入れることにしました。
当初は1-1-2(1000株、1000株、2000株)で買い下がる予定でしたが、2-3-5で買い下がる戦法に切り替えました。その理由は3月を起点とすると、既に5ヶ月間下げ続けており、7月に反転上昇の兆しを見せているからです。
要するに、下げたとしても前回の安値付近までだろうという安心感もありましたので、少し多めに買い玉を入れることにしました。
また、そのまま上昇相場に入ればそれはそれで良いのですが、もし仮にボックス相場に入るとうねりの周期が短いので3回目は入らない可能性があります。
そうなると1-1-2の玉の建て方ですと2000株しか買えない可能性があると思ったからです。
そして8月31日に155円で2000株の買いを入れました。
その後、日足が5日移動平均線に絡み始め、前回の安値近辺で下げ渋るようになったため、2回目の買いを入れることにしました。
9月6日、149円で3000株の買いを追加しました。
前回の安値付近で陽線が出たので、恐らくこれ以上下がらないと判断しました。
従いまして、これ以上買い玉を追加すると、買いの平均値が上昇する可能性が高いと思いましたので空売りを手仕舞いすることにしました。
また、基本的に私は陽線の後に買いを入れることはあまりしませんので、次の陰線新値が出現するまでは買い増しが出来ません。
そして翌日、9月17日に156円で売り玉2000株を手仕舞いしました。
私の売り玉の平均値は174.5円でした。
従いまして、18.5円の値幅を取ることが出来ましたので37,000円の利益です。
これで私の建玉は0-5です。これを天井圏まで持って行きます。
その後、順調に上昇して前回の高値に並び始めましたので、空売りを2000株入れることにしました。
9月18日、173円で2000株の空売りを入れました。
5ヶ月も下げた後なので、このまますぐに上昇相場に入るのではなく、もう一回下げる可能性があると判断しましたので追加の売りを翌日に入れることにしました。
9月19日、175円で3000株の空売りを追加しました。これで私の建玉は5-5となりました。
9月20日に陰線が出現しました。
しかも5日移動平均線を割ってしまいましたので、これ以上の売り玉の追加は出来ません。
従いまして、翌日買い玉を手仕舞いします。
9月21日、168円で買い玉を全て手仕舞いしました。
私の買い玉の平均値は151.4円ですので、83,000円の利益です。
その後、下がって行きましたので、今回は買いと売りの両方で利益が出たことになります。
最終的には利益になりましたが、3回目の買いと空売りが入れられなかったのが反省点です。
今回はうねりの周期が短いボックスレンジだったため、仕方がなかったと思います。
うねり取りの習得には時間が掛かるが、基本を身に付ければ後は楽
私は移動平均線(5日と25日)をあまり使ってこなかったのですが、これらの移動平均線をうねり取りに応用することで、よりトレードの確度が高まったと感じました。
実際、私が手掛けている商社株では、十分に下がった所で買いを入れ始めましたので、空売りでの利益に加えて、買いでも結構な利益が取れると思います。
まだ、下げるかも知れませんが、下げれば追加の買いを入れ、上昇すれば空売りを手仕舞いして利確するだけです。
これだけで何のストレスも感じることなく、利益を伸ばすことが出来ます。
裁量トレードの手法であるうねり取りを体得するには時間が掛かります。しかし努力を惜しまない方ですと、短期間のトレーニングで基本の形を習得することは可能です。
何と言っても、自分が最も得意とする銘柄のみを売買するわけですから、トレードする度に精度が高まるわけです。たとえ失敗した場合であっても、大損をする前に適切な処置をすることができます。
相場先生がいつも話されることですが、後天的に富豪(成功した)になった方の共通点は「専門家」になることです。
何でも屋のジェネラリストでは富豪になれないとのことです。
自分の持てる能力を得意分野に集中させることで、他の者がやらない「ニッチ」なことをするわけです。専門性を持つことにより、他の者が考えつかないアイデアが閃くことがあります。
相場先生が尊敬する、立花証券の父と呼ばれる石井久氏は、幼少の頃、農家であった父が晴れの日のみに野菜を売りに行くこと疑問を抱き、「どうして雨の日に野菜を売りにいかないのか?他の者がやっていないことだから2倍の価格で売れるはずだ」と提案したそうです。
しかし残念にもこの提案はあっさりと却下されたそうです。
石井久氏の先見の眼は、まさに相場の世界で良く言われる「人の行く裏に道あり花の山」です。
最後に相場先生の締めの言葉で今日の記事を終わります。
- 固定銘柄を決めて「株職人」になる
- とにかく数多く練習する
- そしてどうすればさらに利益が出るか検証を重ねる
次回の富豪プロジェクト(東京)も出席しますので、また感想記事を書きます。