やらないところを察知する
2018年1月30日放送のラジオNIKKEI「相場師朗の株塾」で紹介されていた、熱心なリスナーさんからの質問をご紹介したいと思います。
秀逸な質問だと私は感心しました。
人には得意不得意がありますので、すべての局面で上手くトレードするのはなかなか難しいことです。
トレードする局面を決めておく、それ以外ではトレードしない
スポーツや囲碁将棋の対戦では、苦手なところを攻められても対応できるようにしておかなければなりません。一方、株トレードは、得意な銘柄と局面を選ぶことができますので、苦手なところを無理にトレードする必要はないと思います。
従いまして、苦手な局面に突入したことを早めに察知する判断力の向上は、私も努力しているところです。
ミネベア(6479)を例に挙げますと、下げてきてB局面に入るところは、以下のチャートの丸印のところになります。
上昇してきてB局面に入るスタート地点は、以下のチャートの2か所の丸印のところになります。3月のB局面は前の高値を抜けた4月末で終わりとなり、その後、C局面に入っています。そして6月に再度、B局面がスタートします。
僅か100円ちょっとの小さな振幅幅をトレードしても、ストレスばかりが溜まって利益は思うように増えないです。
実を言いますと、私もB局面は好きではないですね。下落相場で稼いだ後の小刻みなボックス相場や、大幅上昇後のボックス相場で、それまでの利益を溶かしてしまったことはよくありました。
「もっと儲けたい」という欲が強すぎたため、分からないところでもついついトレードしてしまっていたんですね。
極端な話、技は2つあればよい
相場先生が教えるトレード手法には、明確な判断基準がありますので、難しく考えずにシンプルなルールに従ってトレードした方が上手く行きます。
ネタバレになりますのであまり詳しくはご紹介できませんが、「相場師朗の株塾」ですでに紹介されている「半分の法則」や「逆半分の法則」の2つだけを使っても十分だと思います。
コムシス(1721)を例に挙げますと、2017年の1年間を「半分の法則」を使って買いのみでトレードしたとしても、おおざっぱに見て8回もトレードチャンスがあります。最後の2回は上局4カ月目と5カ月目(8月から数えて)ですので、ここはトレードしないとしても6回はトレードできます。
買い玉を入れた後は「7の法則」に従うか、横ばいになったところで手仕舞いします。
たとえば観察銘柄が10銘柄あったとして、「半分の法則」を使っただけでもかなりのトレードチャンスがあります。さらに「逆半分の法則」も使うとしたら、トレードチャンスはもっと増えます。
あとはそれぞれの法則がどのタイミングで出現したら、自信を持ってトレードできるかですね。やはり目印となる「節目」と「移動平均線の傾き」の理解を深めることは重要だと思います。
節目や移動平均線近辺での日足の動きの特徴を理解しておくと、その場面を「ショートトレード法」を使ってトレードできますので、少々タイミングが外れても建玉操作で最終的には勝ちトレードに持って行くことができます。
まずは最小単位の100株でトレードして10万円儲けることができるようになれば、次は300株でやれば利益は3倍になる。次に同じ局面を500株でトレードすれば利益は5倍になる。
このように玉数を調整することで利益を増やすことができます。トレード回数を増やしたり、銘柄を増やしたり、あるいは技を増やさなくても利益をアップすることは可能だと思います。
観察銘柄の中から得意な局面を選んで得意技を使って利益を上げる。もっと利益が欲しい場合はトレード回数を増やすのではなく、玉数を増やす。トレードする局面と使う技を決めておくことで、欲に駆られて変なところでトレードして失敗する可能性は少なくなります。
まずは、これでいいのではないかと私は考えています。