世界経済は一定のサイクルを繰り返す巨大なマシーンである
今日の記事ではちょっと趣向を変えて、世界最高峰のヘッジファンドマネジャーの一人であるレイ・ダリオ氏の動画 “How The Economic Machine Works in 30 Minutes:30分で判る経済の仕組み” をご紹介したいと思います。
彼はこの動画で語っている経済に関する考察を “Template(テンプレート)” と呼んでおり、過去30年間この考察(テンプレート)に基き、ヘッジファンドの運用に携わってきました。
レイ・ダリオ氏は、世界経済は「一定のサイクルを繰り返す巨大なマシーン」であると考えています。これは巷の経済学者の考えとは一線を画している考察ですが、非常にユニークな考え方だと思います。
レイ・ダリオ氏は、このテンプレートのお陰で、リーマンショック時でも大きな損失を回避するどころか、彼が運用するヘッジファンドはプラスのリターンを上げています。
この動画を視聴すると、なぜ5年から8年周期で株価の大暴落が起きるのか理解できます。今後の株式投資において、大変参考になると思いますので、是非、ご視聴ください。
国際政治学者が警鐘を鳴らすチャイナのミンスキーモーメント
バブル経済の発生と崩壊のメカニズムが分かったところで、次のトピックに移りたいと思います。
先日、国際政治学者である藤井厳喜先生のYouTube動画を視聴していたところ、中国経済における「ミンスキーモーメント」というワードが頻繁にでてきました。
ミンスキーモーメントとは?
ミンスキー・モーメント(ミンスキーの瞬間)とは、信用循環または景気循環において、投資家が投機によって生じた債務スパイラルによりキャッシュフロー問題を抱えるポイントである。
A Minsky moment is a sudden major collapse of asset values which is part of the credit cycle or business cycle.
藤井先生によりますと、中国では本格的なミンスキーモーメントはまだ到来していないとのことですが、その時が到来したら、その衝撃はかなりのものになるとのことです。
ミンスキーモーメントの到来が先になればその分衝撃が強くなるわけですから、まさに「地獄の苦しみはこれから」ということですね。
日本もアメリカもミンスキーモーメントを経験しています。日本では1989年に日経平均が最高値をつけた約5年後に発生しており、そこから本当の苦しみが始まりました。アメリカでは住宅バブル崩壊ですね。
藤井厳喜先生をご存知ない方に申し上げますと、藤井先生はハーバード大学院で国際政治学を研究された方で、日本のバブル崩壊、リーマンショック、英国のEU離脱、そしてトランプ大統領の当選をことごとく的中させてきました。
私は以前から藤井先生のファンであり、先生の本はすべて読んできました。藤井先生の「観察力」「洞察力」「分析力」は、アナリストや評論家とは、まったく次元が違うレベルであると思います。
「世界経済の支配構造が崩壊する -反グローバリズムで日本復活!」という本では、藤井先生は「イギリスはEUを離脱する」と書いておられ、またその理由も論理的に説明されております。そして、実際にその通りになりました。
藤井厳喜先生は国際政治から経済まで幅広く研究されていますが、金融関係のベストセラー本はこちらになります。
アングラマネー タックスヘイブンから見た世界経済入門 藤井厳喜 (著)
うねり取り手法にファンダメンタルズは必要ないが・・・
うねり取り手法を実践している私たちは、チャートから得られる情報のみでトレードしていますので、国際金融の知識は必須ではありません。
しかしながら、世界経済の大局を知っておくことは、今後のトレード方針を決めるにあたり有益だと思います。
リーマンショックの時は、世界経済が混乱に陥っていることは明らかだったため、私はそれほど深く考えることなく、ただ単に空売りし続けるだけで資金は雪だるま式に増えて行きました。実際、この時は結構楽に儲けることができました。
最後になりますが、藤井厳喜先生のツイッターやYouTubeチャンネルでは、テレビでは報道しない真実を知ることができます。大変勉強になりますので、是非、視聴してみてください。