オンライン掲示板を使った仕手戦
ここ数日、個人投資家集団が米ゲーム販売会社GameStop社の株価を吊り上げて、ヘッジファンドを打ちのめしたという話題で盛り上がっています。
SNSユーザーの個人投資家集団が、特定銘柄のコールオプションを大量に購入して株価を吊り上げ、その株を空売りしていたヘッジファンドが多額の損失を被った事件が起きました。
舞台となったのは、英語圏でよく使われるSNS「レディット」にある「ウォール・ストリート・ベッツ」というコミュニティ。
(中略)
ここ数週間、コミュニティでは「ゲームストップ」という、かつて流行したビデオゲームの量販店の株を上げる話で盛り上げっていた。この株はメルビンキャピタルなどヘッジファンドの空売りターゲットとなっており、会社の業績が悪化して株価が下がれば、ヘッジファンド側は多額の利益を得られるはずだった。
さらに、レディットを通じて個人投資家らが結託し、ヘッジファンドを攻撃する動きが強まっている。それが、ゲームストップの異常な株価急騰の背景にあるのだ。特定銘柄の空売りを公言するヘッジファンドを攻撃し、彼らに損失を出させるために、個人投資家らがレディットを通じてその銘柄の買い、オプション取引でのコールオプション(買う権利)の買い、を呼びかけるのである。
以下は1月28日時点のゲームストップ株の日足チャートです。
打ち負かされたヘッジファンド
個人投資家集団による大量買いにより、メルビンキャピタルは他社から約2850億円の支援を受けて、1月27日、空売りポジションをようやく解消できたとのことです。
さらに、ゲームストップ株をカラ売りしていた米メープルレーン・キャピタルも、約33%の損失を出したとのことです。
これは株価操縦に該当するのではないか
ゲームストップ株をめぐる仕手戦は健全な株式取引とは言えず、株価操縦や風説の流布に当たるのではないかという見方もあります。
証券を専門とする弁護士たちは、SECが取引について調査するのではないかと見てます。
今午前12時。一部米ネット証券会社がゲームストップやAMC株の売買取り次ぎ規制。ナスダックも場合によっては売買停止の姿勢。ヘッジファンドが保有資産売却の可能性を懸念。SEC米国証券取引委員会も介入示唆。交流サイトのレディット個人投機家に意図的謀議性あるか。市場は安堵。ダウ450急反騰。
— 豊島逸夫 (@jefftoshima) January 28, 2021
やっぱりそうだよな。
「 「個人投資家がソーシャルメディア上で互いにけしかけていたのであれば、これは事実上のクラウドソース型『パンプ・アンド・ダンプ(虚偽の情報を流して価格をつり上げたところで売り抜けて利益を手にする不正行為)』に相当する」」 https://t.co/kMUR9Cr9jo
— Keiichiro Ono (@c_z) January 28, 2021
米上院銀行委員会、公聴会開催へ-ゲームストップなどの取引制限受け – Bloomberg
.@daitojimari https://t.co/mWAF0OpmAW— Manami Ichi🐙🦑 (@Manaming1) January 29, 2021
ゲームストップ暴騰は株価操作か、SECの判断は? – WSJ
.@daitojimari https://t.co/9zDu88RF7V— Manami Ichi🐙🦑 (@Manaming1) January 29, 2021
まとめ
ここ数日、ゲームストップ株関連のツイートが頻繁に流れてきましたが、これほどの騒動になっていたとは知りませんでした。
少し古い話題になりますが、オバマ政権時代に「ウォール街を占拠せよ(Occupy Wall Street)」デモが起きたことがありました。
これは拡大する格差に抗議する若者たちによる大規模なデモでした。
今回のゲームストップ株をめぐる騒動は、「新ウォール街占拠」と言えるでしょう。
昨日から米投資界はこの話題で持ちきりになっています。ぜひご一読ください!https://t.co/KMDcTyTfGl
— 日経マネー編集部 (@nikkeimoney) January 27, 2021
実際、SNSコミュニティ創設者は、以下のようなメッセージを公開しています。
《メルビンキャピタルは情報操作など汚いことをやっておきながら咎められていない。何百万という人間を不幸においやりながらぬくぬくとしている。そんな金持ちの資産を貧乏な人たちに分配できたのは、みんなのおかげだ。愛してる!》