米中冷戦は日本経済復活の追い風になる!日本株は長期的上昇サイクルに入るか?

日米豪印による供給網の再構築が始まった

今日の記事では、4月15日に配信された経済アナリストのエミン・ユルマズ氏の動画をご紹介します。

この動画の後半部分で、エミン氏は「米中冷戦は日本企業にとって追い風になる」と話しています。

今週に入って日経平均が大きく下げてきていますが、経済アナリストのエミン・ユルマズ氏は、日本経済の先行きには強気の姿勢を持っています。

おもな理由は以下です。

  • アメリカはチャイナ企業の排除を加速させている
  • 排除されたチャイナ企業の穴埋めを日本企業が賄う可能性がある
  • 日米豪印で連携して、脱チャイナ依存に取り組む
  • その結果、サプライチェーンが日本に戻ってくる
  • 半導体と電池に関して、アメリカは日本に頼らざるを得なくなる

そして、動画の中でエミン氏が紹介した最近の日経新聞のヘッドラインからは、日米の動きが分かります。

日経新聞のヘッドラインから分かる最近の日米の動き

【2月24日】
米、同盟国と供給網整備 半導体やEV電池 中国に対抗

【2月25日】
半導体 電池 医薬品 レアアース 米供給網100日以内に見直し

【3月12日】
日米豪印、レアアース連携 日米豪印、対中国で結束 脱中国依存 調達網を再構築

【3月17日】
米、対中抑止で日本重視 2長官、初の海外訪問 2プラス2

日本経済新聞のヘッドラインから分かるのは、バイデン政権は半導体、電池、医薬品、レアアースにおける供給網を再構築しようとしているということです。

レアアースに関しては、アメリカはオーストラリアと共同で行う。医薬品に関しては、原薬はインドにお願いするのではないか、そして、半導体と電池は日本に頼るしかない、とエミン氏は話しています。

脱炭素、水素に関して、「水素を生産する、貯蔵する、輸送する、使う」という川上から川下まで、いろいろな産業がありますが、このうち約三分の一は日本企業が関わっています。

チャイナ企業も三分の一関わっていますが、アメリカがチャイナを除外すると、その分、日本企業の市場シェアが増えることになります。

このように見ると、米中冷戦は日本企業にとって追い風になります。今後、アメリカは日本との結びつきをさらに強めて、対中政策を組まざるを得なくなるとのことです。

もう一つの可能性としては、アメリカはTPPに参加してくるかもしれない、とエミン氏は話しています。

半導体供給網は日米台で連携

経済評論家の渡邊哲也氏によると、今回の日米首脳会談で出された共同声明では、米国クリーンネットワークへの日本の参加が盛り込まれたとのことです。

これは、通信設備(端末、基地局、システム)、ケーブル(海外を含む)、クラウド、アプリ、ストアから、信頼できない国(チャイナやロシア)を排除するというものです。

さらに5月から、アメリカではチャイナ製ITの利用が許認可型の登録制になります。

これは米国で活動する外国企業も対象となるため、チャイナのIT企業はアメリカでこれまでのように活動できなくなります。

そして、半導体の供給に関しては日米台の連携がさらに強化されます。

5月から施行されるチャイナ製ITの登録ですが、これは米国内で活動する日本企業も規制対象になります。

日本企業の米国法人も規制対象だ。商務省によると、米企業の総数約600万社のうち、外国製のIT機器・サービスを一定の規模で導入している企業は最大450万社に上る。

米国内で事業を行う企業は、使用している機器やサービスの提供元、利用内容などを当局に申請し、許可を得る必要がある。

引用元:米、中国IT利用を許可制に 企業に規制、450万社に影響

日経新聞電子版の記事は、「米中のハイテク対立が日本を含むグローバル企業を揺さぶる構図が続く」と締めくくっており、悲観的な見方をしています。

しかしながら、チャイナ企業を排除したあとは日本企業がその隙間を埋めることになるため、エミン氏の分析の方が説得力があるように思います。

エミン氏はさらに、以下のようにツイートしています。米株のバブルが弾けたあとは、資金は日本へ向かうとのことです。

まとめ

今回の記事でご紹介した3人の専門家の見解をまとめますと、ファンダメンタルズ的には、控えめに見ても日本企業の将来はかなり明るいように思います。

以前当ブログでご紹介した投資ストラテジストの武者陵司氏は、「今の株高はバブルではない」と断言しています。

エミン氏とは見方が異なりますが、半導体などの製造に関して、日本の重要性がこれまで以上に高まってくるという両者の見方は一致しています。

ただ、非常に気になる点もあります。

チャイナ企業のテンセントからの出資を受け入れた楽天は、日米政府からの監視対象になりました。

日米豪印が脱中国依存で結束力を高めようとしている中、チャイナ市場に進出する日本企業が後を絶ちません。

ローソンは8日、中国に展開するコンビニ数を現在の約3千店舗から2025年度までに1万店舗に引き上げる目標を発表した。ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長も、東南アジアでのユニクロの年間出店ペースを現状の40~50店舗から100店舗へ加速させる考えを示した。

引用元:ローソン、中国に1万店目標 ユニクロはアジア出店加速

オフィス家具を手掛けるイトーキ(東京都中央区)は4日、江蘇省蘇州市に地域統括会社を6月28日に設立したと発表した。

引用元:《日系進出》イトーキ、蘇州に地域統括会社を設立

チャイナで稼いだカネは日本に持って帰れないため、そのカネはチャイナに再投資するしかないはずです。

チャイナでの金儲けをカジノで例えるならば、カジノで大金を稼いだけど、稼いだカネは外には持ち出せず、そのカジノの中でしか使えない類のカネということになります。

つまり、チャイナで儲けたカネはチャイナ国内で再投資する以外使い道はなく、無限ループのような対中投資です。

最後は少し話が脱線してしまいましたが、要するに、脱チャイナ依存は日米政府の共通認識ですので、これに従う企業の株は今後期待できると思います。

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